2019-04-19 11:22

Google Cloud Next 19 参加レポート

アップデートについて

Anthos

マルチクラウド、ハイブリッドクラウドを簡単に実現できる Anthos が正式に発表されました!
Anthos 自体は昨年の Google Cloud Next で発表されていましたが、
今年、正式にサービス名を刷新して初日のキーノートで大々的に発表されました。

何が嬉しいのか

Web 企業の場合、オンプレミス環境で動作しているサービスは比較的少ないとは思いますが、
その他の企業で、「クラウドにシステムを移したいけど、労力が賄えないよ!」という企業向けのサービスな印象です。
システムがレガシーになり、誰も触れなくなってきたものを救い出すのは嬉しいのではないでしょうか?
(とはいえ、レガシーなシステムを改善するのは別の苦労がありそうですが…)

一方で、このサービスがオンプレミスのシステムだけに向けたものであるかというとそうでもないみたいです!
Web 企業の場合、マルチクラウドにすることで冗長性や耐障害性が向上させたい!という場面があるかと思います。
その場合に、この Anthos を使うことで簡単にマルチクラウドを組むことができます。

ちなみに

ギリシャ語が語源のため、呼び名は「アントス」ではなく、「アンソス」だそうです。

Anthos シール!
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AI Hub

AI周りでは、 AI Hub と AI Platform が発表されました。
このあたりは Cloud DataLab と Cloud ML Engine との差別化ってどうするんだろう?ってのは聞いてて思いましたが、
AI Hub の中で話されていた「 Fine Tuning されたモデルを URL ひとつで参照することができる。」というのは、
ひとつ大きな価値だとおもいました。
学習に時間を要する機械学習界隈において、 Transfer Learning は最近の重要な学習方法の一つになっています。
さらに、チームでのナレッジシェアのしやすさを意識しているようにみえました。
今後注目のサービスになるかもしれません。

BigQuery

個人的にはこのセッションがとても参考になりました。
いくつか BigQuery にまつわるベストプラクティスを紹介してくれているのですが、
どれも勉強になるものばかりでした。

また、 BigQuery が関係したサービスがいくつも発表されていました。
恐らく Google としても今後も BigQuery は BigData の要である認識なのだと思いました。
なので、 GCP で Data Pipeline を実装する場合、
うまく BigQuery を使った pipeline の書き方をすると手軽に作成することができそうでした。

Cloud Run

Cloud Run が発表されました!
この発表は個人でサービスを作っている方には朗報なのではないでしょうか?

どんなサービス?

このサービスはコンテナを作成することで、そのコンテナをホスティングしてくれるサービスです!
いわゆる、 App Engine のコンテナバージョンに相当するイメージでいいかと思います。

何が嬉しいのか

App Engine は個人でサービスを作っている方には非常に有効なツールだと思います。
なぜならコードを書いて deploy すれば、サービスをホスティングしてくれるからです。
まさにコードに集中することができる素晴らしいサービスです。
しかし、問題がありました。
App Engine はコードを実行するため、

  • 実行できる言語が限られる
  • 使用できるライブラリのバージョンが限定される

などの課題がありました。
これは、実は Google のエンジニアも大変だそうで、
随時バージョンをトレースするのは容易にその大変さが想像できるかと思います。

しかし、コンテナ化されていることで、

  • runtime の言語によらない
  • 使用するライブラリのバージョンが限定されない

というユーザにとっても、 Google の人にとってもハッピーなサービスになりそうです。

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