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2020-01-27 04:40

アルスエレクトロニカ2019に見る、AIとデジタル革命のミドルクライシス | モリカトロンAIラボ

オーストリアのリンツという小さな街で、年に一度、世界中のメディア・アートが集まる「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」と呼ばれる祭典が開催されます。米国のオースティンで開催されるサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)やラスベガスで開催されるCESなどのテック系カンファレンス・イベントとは異なり、毎年ひとつのテーマを掲げ、サイエンス、テクノロジー、そして社会をアートを通して批判的に捉える点が特徴です。今回は「AIxMusic Festival」なるイベントも開催されたこともあり、モリカトロンAIラボとしてもオーストリアに飛ばざるを得ませんでした。ヒューマンリサーチとしてAIを考察するということオーストリアのリンツは、音楽の都として知られるウィーンから電車で1時間ほどで到着する、チェコとドイツの国境付近の小さな街です。シュニッツェルという平たいとんかつのようなオーストリア伝統料理を食べ、教会などの歴史的建造物、そして市内の中心を流れるドナウ川の風光明媚な景色に感激していると、こういうビッカビカのLEDバッキバキの建物が突如現れます。展示会場のひとつである「アルスエレクトロニカ・センター」。かつて重工業で栄え、時代とともに衰退に向かいつつあった都市、リンツにメディア・アートの新風を吹き込んだアルスエレクトロニカ・フェスティバルは、これまでにウィキペディアやハイパーテキストといった、今やデジタル社会に欠かせないツールとなったものを「アート」としてアワードを与えてきた歴史があります。今年は創立40年の歴史を振り返り、「Out of the Box - The Midlife Crisis of the Digital Revolution」というテーマで開催されました。訳せば「既成概念からの脱却 - デジタル革命のミドルクライシス」となり、デジタル社会を批判的に評価することを意図したタイトルだといえるでしょう。この記事では主に、「ヒューマンリサーチ」としてAIを探求するアルスエレクトロニカの視点を踏まえながら、今回のフェスティバルは一体どんなものであったかを紹介できればと思います。ここで言うヒューマンリサーチとは、アートを通してAIと人間の関わりを批判的に見ることを指します。AIの極地と音楽家の極地が併存したAIxMusic

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