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2019-10-14 09:44

【GDC 2019】没入感の追求がたどり着く先は、自然言語処理によるAIとの対話 | モリカトロンAIラボ

アップルのSiriやマイクロソフトのCortana、アマゾンのAlexaといったAIアシスタントがスマートフォンやスマートスピーカーとして人々の日常に溶け込んだ今、音声認識という技術も人工知能と同様に身近な存在となりました。その中枢をなしている研究分野が自然言語処理です。中でもコンピュータに自然言語を理解、もしくは意図を抽出させることを目的とした自然言語理解は、音声アクティベーションやコンテンツ解析、ニュース収集といった商業的な関心が高まる一方で、コンピュータビジョンやチューリングテストと並ぶAI完全問題であると言われています。それでもアプリや家電を起動させたり、ニュース記事を音声出力で読み上げるといった技術的に限られた条件下では、少しずつではありますが自然言語理解が実用化されつつあります。一方でグラフィック処理技術の発展にともない、没入感という言葉が定着したVR/AR/MRの領域もふくむビデオゲームにおける、音声認識に基づいたインターフェイスの開発は意外にも進んでいませんでした。音声認識を使ったゲームの歴史と技術的な限界本格的に音声認識がゲームソフトに組み込まれた最初の例は、1998年の年末にNINTENDO64向けに発売された『ピカチュウげんきでちゅう』(1998年、任天堂)です。ヘッドセット型のマイクを使ってプレイヤーがピカチュウと意思疎通できる世界初の音声認識ソフトとして大々的に売り出されましたが、実際に認識できるのは特定の単語のみで、話し言葉を全文認識させるにはほど遠いものでした。そのおよそ半年後、音声認識を使った3D育成シミュレーションゲーム『シーマン』(1999年、ビバリウム)が、ドリームキャスト向けに発売されました。コントローラにマイクデバイスを装着することでペットに直接話しかけられるゲームデザインが特徴で、人語を解する人面魚のシーマンはプレイヤーの年齢や性別、職業といった個人情報を次々と覚えていきます。ちなみに当時は、シーマンの口の悪さや気難しい性格がやたら憎たらしいと話題になりました。これは音声認識における精度の低さをプレイヤー側に悟らせることなく、できるだけ短くはっきりと話しかける努力を無意識に仕向ける工夫だったと言われています。プレイヤーの言葉が上手く聞き取れずにへそを曲げてしまうシーマンを演出することで、音声認識の限界から生じる失敗の責任を

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